運動学習に対する主観的判断の正確性 若年者と高齢者の比較
【目的】高齢者の運動学習に伴う主観的判断の正確性について若年者と比較・検討することを目的とした。【方法】対象は健常若年成人群14名と健常高齢群16名であった。課題は上肢到達運動による標的の空間位置の学習課題であり,20試行を1セッションとして,初期テスト1セッション,学習試行9セッションを行った。課題開始前の学習容易性判断を5段階で求め,試行中の学習判断として次のセッションの成功率を予測させた。また,試行後の成績判断として全試行の成功率を判断するよう求めた。【結果】課題の成功率は両群ともに課題の進行に伴い有意に向上した。学習容易性判断は両群で有意差はなかった。一方,次のセッションの成功率を予測...
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| Published in | 理学療法学 Vol. 40; no. 6; pp. 421 - 428 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本理学療法士学会
20.10.2013
日本理学療法士協会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0289-3770 2189-602X |
| DOI | 10.15063/rigaku.KJ00008954026 |
Cover
| Summary: | 【目的】高齢者の運動学習に伴う主観的判断の正確性について若年者と比較・検討することを目的とした。【方法】対象は健常若年成人群14名と健常高齢群16名であった。課題は上肢到達運動による標的の空間位置の学習課題であり,20試行を1セッションとして,初期テスト1セッション,学習試行9セッションを行った。課題開始前の学習容易性判断を5段階で求め,試行中の学習判断として次のセッションの成功率を予測させた。また,試行後の成績判断として全試行の成功率を判断するよう求めた。【結果】課題の成功率は両群ともに課題の進行に伴い有意に向上した。学習容易性判断は両群で有意差はなかった。一方,次のセッションの成功率を予測させた学習判断の正確性は若年群では向上したが,高齢群は向上しなかった。また,成績判断は,高齢群は若年群と比べ不正確であった。【結論】高齢者では若年者に比べて,運動学習に伴う主観的判断の正確性が低下している可能性が示唆された。 |
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| ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
| DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00008954026 |