頸椎症性神経根症患者における頸部伸筋群の脂肪浸潤と平衡機能との関係 MRIを用いた頸部多裂筋および僧帽筋上部線維の筋肉内脂肪計測
【目的】本研究は,頸椎症性神経根症患者における頸部伸筋群の脂肪浸潤と平衡機能との関係について明確にすることを目的とした。【方法】対象は,本研究に同意が得られた頸椎症性神経根症患者20名とした。筋肉内脂肪の評価はMRIを使用し,両側の頸部多裂筋および僧帽筋上部線維におけるpixel信号強度を用いて算出した。平衡機能は重心動揺計を用いて閉眼静的立位時の総軌跡長と外周面積を計測した。総軌跡長と年齢,BMI,NDIおよび各筋の脂肪浸潤との関係を検証した。総軌跡長に影響を及ぼす因子を決定するために,総軌跡長を従属変数,年齢,性別,BMI,NDI,頸部伸筋群の脂肪浸潤を独立変数とした重回帰分析(stepw...
Saved in:
Published in | 理学療法学 Vol. 41; no. 2; pp. 66 - 74 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.04.2014
日本理学療法士協会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00009352620 |
Cover
Summary: | 【目的】本研究は,頸椎症性神経根症患者における頸部伸筋群の脂肪浸潤と平衡機能との関係について明確にすることを目的とした。【方法】対象は,本研究に同意が得られた頸椎症性神経根症患者20名とした。筋肉内脂肪の評価はMRIを使用し,両側の頸部多裂筋および僧帽筋上部線維におけるpixel信号強度を用いて算出した。平衡機能は重心動揺計を用いて閉眼静的立位時の総軌跡長と外周面積を計測した。総軌跡長と年齢,BMI,NDIおよび各筋の脂肪浸潤との関係を検証した。総軌跡長に影響を及ぼす因子を決定するために,総軌跡長を従属変数,年齢,性別,BMI,NDI,頸部伸筋群の脂肪浸潤を独立変数とした重回帰分析(stepwise method)を行った。【結果】頸部多裂筋障害側の脂肪浸潤と総軌跡長は高い相関が得られ,これらの寄与率は約62%であった。【結論】頸椎症性神経根症患者は,障害側における頸部多裂筋の筋肉内脂肪浸潤が平衡機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00009352620 |