東日本大震災被災者の山形県一次避難所における深部静脈血栓症スクリーニング調査および肺塞栓予防活動報告

2011年3月11日午後2時46分にマグニチュード9.0の巨大地震が三陸沖で発生し,その数分後には巨大津波が東日本を襲い甚大な被害をもたらした.翌日には福島第一原子力発電所で爆発事故が起こり,多数の被災者が山形県に避難して来た.われわれは震災発生後9日,10日に避難者に対し,山形市の落合スポーツセンターの避難所において下肢静脈エコーによる急性期深部静脈血栓症のスクリーニング検査を行った.男性24名,女性99名の計123名中女性14名(11.4%)に深部静脈血栓症を発見した.血栓陽性者の平均年齢は75.4±12.8歳,陰性者は59.0±13.6歳,車中泊経験者27名中3名(11%),歩行困難者2...

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Published in静脈学 Vol. 23; no. 1; pp. 7 - 11
Main Authors 折田, 博之, 廣岡, 茂樹, 外田, 洋孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 25.02.2012
Subjects
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.23.7

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Summary:2011年3月11日午後2時46分にマグニチュード9.0の巨大地震が三陸沖で発生し,その数分後には巨大津波が東日本を襲い甚大な被害をもたらした.翌日には福島第一原子力発電所で爆発事故が起こり,多数の被災者が山形県に避難して来た.われわれは震災発生後9日,10日に避難者に対し,山形市の落合スポーツセンターの避難所において下肢静脈エコーによる急性期深部静脈血栓症のスクリーニング検査を行った.男性24名,女性99名の計123名中女性14名(11.4%)に深部静脈血栓症を発見した.血栓陽性者の平均年齢は75.4±12.8歳,陰性者は59.0±13.6歳,車中泊経験者27名中3名(11%),歩行困難者25名中9名(36%)に血栓を認めた.合わせて深部静脈血栓症予防の避難生活指導および弾性ストッキングの配布を行ったので報告する.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.23.7