在宅パーキンソン病患者の疾病自己管理状況と抑うつ症状の実態
目的:本研究は,パーキンソン病(PD)患者の疾病自己管理状況および抑うつ症状の実態を明らかにすることを目的としている。方法:PD患者185名を対象に,無記名の自記式質問紙調査を実施した。有効回答率は95.7%であった。結果:抑うつ症状あり(K6得点≧5)は49.7%で,対象者の約半数が抑うつ症状を呈していた。疾病自己管理について,「PD薬の飲み忘れ」以外の服薬に関する実施率は高かったが,「症状変化の記録」「排便回数や量の記録」の実施率は低く,セルフモニタリング教育の必要性が示された。ADLおよび疾病自己管理の「好きなことや楽しいことの継続」「病気のことはくよくよせず楽観的に考える」が抑うつ症状...
Saved in:
Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 44; no. 1; pp. 1_123 - 1_133 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
20.04.2021
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2188-3599 2189-6100 |
DOI | 10.15065/jjsnr.20200705101 |
Cover
Summary: | 目的:本研究は,パーキンソン病(PD)患者の疾病自己管理状況および抑うつ症状の実態を明らかにすることを目的としている。方法:PD患者185名を対象に,無記名の自記式質問紙調査を実施した。有効回答率は95.7%であった。結果:抑うつ症状あり(K6得点≧5)は49.7%で,対象者の約半数が抑うつ症状を呈していた。疾病自己管理について,「PD薬の飲み忘れ」以外の服薬に関する実施率は高かったが,「症状変化の記録」「排便回数や量の記録」の実施率は低く,セルフモニタリング教育の必要性が示された。ADLおよび疾病自己管理の「好きなことや楽しいことの継続」「病気のことはくよくよせず楽観的に考える」が抑うつ症状と有意な負の関連を示した。結論:看護職は,疾病自己管理について指導する際に,趣味等,好きなことや楽しいことの継続を促すとともに,患者自身が自分の病気をどのように捉えているかについて,十分注意する必要があることが示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.20200705101 |