上唇に発生した多形腺腫の1例

多形腺腫は唾液腺腫瘍のなかで最も発生頻度が高く,耳下腺に好発し,口唇に発生することは比較的まれである.今回われわれは,上唇に発生した多形腺腫を経験したので報告する.患者は29歳の男性.X−1年Y月頃から上唇の腫瘤を自覚していたが,無痛性であったため放置していた.しかし,X年Y−6月頃から腫瘤が増大してきたため当科を受診した.左側上唇に母指頭大の境界明瞭な可動性のある無痛性で弾性硬の腫瘤を認め,表面粘膜は正常であった.CT画像,MR画像,超音波画像で約20×20×20mm大の境界明瞭な腫瘤を認めた.左上唇腫瘍の臨床診断で全身麻酔下に腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的診断は多形腺腫であった.術後再...

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Published in昭和学士会雑誌 Vol. 81; no. 1; pp. 53 - 57
Main Authors 伊澤, 優一, 鈴木, 麻衣子, 山口, 真吾, 筑田, 洵一郎, 八十, 篤聡, 鎌谷, 宇明, 堅田, 凌悟, 代田, 達夫, 高松, 弘貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 2021
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ISSN2187-719X
2188-529X
DOI10.14930/jshowaunivsoc.81.53

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Summary:多形腺腫は唾液腺腫瘍のなかで最も発生頻度が高く,耳下腺に好発し,口唇に発生することは比較的まれである.今回われわれは,上唇に発生した多形腺腫を経験したので報告する.患者は29歳の男性.X−1年Y月頃から上唇の腫瘤を自覚していたが,無痛性であったため放置していた.しかし,X年Y−6月頃から腫瘤が増大してきたため当科を受診した.左側上唇に母指頭大の境界明瞭な可動性のある無痛性で弾性硬の腫瘤を認め,表面粘膜は正常であった.CT画像,MR画像,超音波画像で約20×20×20mm大の境界明瞭な腫瘤を認めた.左上唇腫瘍の臨床診断で全身麻酔下に腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的診断は多形腺腫であった.術後再発所見はなく経過良好である.
ISSN:2187-719X
2188-529X
DOI:10.14930/jshowaunivsoc.81.53