片側下腿感覚入力遮断後の立位姿勢制御 Stabilogram-diffusion解析による検討

【目的】片側下腿感覚入力遮断後の静止立位の不安定性を検討した。【対象と方法】健常男性9名を対象とした。長時間の立位(対照課題)および感覚入力を遮断した1分後までの立位(実験課題)について,足圧中心の平均速度,実効値を測定し,あわせてStabilogram-diffusion(SD)解析を行った。【結果】対照課題では,全ての評価項目に経時的な変化を認めなかった。SD解析の結果,足圧中心は両課題ともに約1から2秒間の短時間領域で急激に拡散する時間的特性を認めた。実験課題開始時における短時間領域の拡散係数は8.86 ± 4.70mm2s-1であり,感覚入力遮断後は27.82 ± 13.99mm2s-...

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Published in理学療法学 Vol. 36; no. 3; pp. 101 - 108
Main Authors 牛場, 潤一, 東海林, 淳一, 堤, 則允, 今井, 覚志, 里宇, 明元, 長谷, 公隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.06.2009
日本理学療法士協会
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00005627664

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Summary:【目的】片側下腿感覚入力遮断後の静止立位の不安定性を検討した。【対象と方法】健常男性9名を対象とした。長時間の立位(対照課題)および感覚入力を遮断した1分後までの立位(実験課題)について,足圧中心の平均速度,実効値を測定し,あわせてStabilogram-diffusion(SD)解析を行った。【結果】対照課題では,全ての評価項目に経時的な変化を認めなかった。SD解析の結果,足圧中心は両課題ともに約1から2秒間の短時間領域で急激に拡散する時間的特性を認めた。実験課題開始時における短時間領域の拡散係数は8.86 ± 4.70mm2s-1であり,感覚入力遮断後は27.82 ± 13.99mm2s-1へ有意に増加した(p < 0.01)。同様に実効値は,0.40 ± 0.07cmから1.09 ± 0.93cmへ有意に増加した。また,実験課題において,足圧中心動揺量は短時間領域の拡散係数と強い相関を認めた。【考察】感覚入力遮断による動揺の増加には,短時間領域における足圧中心の確率論的な不安定性が強く影響したと考える。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00005627664