GB21-2,3 トカラ列島周辺海域におけるマルチビーム測深器による観測の概要
トカラ列島周辺海域の,北緯28度45分から北緯31度15分,及び東経128度50分から東経131度20分の範囲において,海域地質図作成を目的としたマルチビーム音響測深装置(MBES)を用いる航走観測を実施し,高解像度海底地形データ及び後方散乱強度データを取得し解析した.統合した地形からは,当該海域に含まれる特徴的なリッジ状の地形が,蟇曾根・南蟇曾根・権曾根・平島曾根を含む一連の高まりを形成し,その位置は沖縄トラフと島弧の境界に相当することが示唆された.後方散乱強度は,口之島,中之島,臥蛇島・小臥蛇島,諏訪之瀬島,及び蟇曾根周辺で高く,広く火山砕屑物が海底面を覆っている可能性が示唆された.同様に...
Saved in:
| Published in | 地質調査研究報告 Vol. 74; no. 5-6; pp. 193 - 202 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
28.12.2023
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1346-4272 2186-490X |
| DOI | 10.9795/bullgsj.74.5-6_193 |
Cover
| Summary: | トカラ列島周辺海域の,北緯28度45分から北緯31度15分,及び東経128度50分から東経131度20分の範囲において,海域地質図作成を目的としたマルチビーム音響測深装置(MBES)を用いる航走観測を実施し,高解像度海底地形データ及び後方散乱強度データを取得し解析した.統合した地形からは,当該海域に含まれる特徴的なリッジ状の地形が,蟇曾根・南蟇曾根・権曾根・平島曾根を含む一連の高まりを形成し,その位置は沖縄トラフと島弧の境界に相当することが示唆された.後方散乱強度は,口之島,中之島,臥蛇島・小臥蛇島,諏訪之瀬島,及び蟇曾根周辺で高く,広く火山砕屑物が海底面を覆っている可能性が示唆された.同様に高い後方散乱強度分布は悪石島,平島周辺でも見られることから,トカラ列島の火山フロント部では,広域に海底を覆う崩壊を伴う火山活動があった可能性が示唆された. |
|---|---|
| ISSN: | 1346-4272 2186-490X |
| DOI: | 10.9795/bullgsj.74.5-6_193 |