頭部X線規格写真による下顎枝矢状分割術後の顎位の安定性に関する形態学的研究

「緒言」外科的矯正手術で最も重要なことは, 術後の顎位および咬合の安定である. したがって, 術後の顎位や咬合の変化についての研究報告は多いが1-24), これには多くの因子が複雑に関与しているためか, 変化の程度や変化の方向については報告によってまちまちで, 術後変化の予想に参考となるような一定の傾向は示されていない. 顎変形症には様々なタイプのものがあり, さらに下顎前突症をとり上げても前突の程度, 開咬や, 左右非対称を伴うか否かなど, 多くのヴァリエーションがある. また, 手術術式や固定法にも多くの方法がある. したがって, 術後の顎位や咬合の安定性と, それに関与する因子を追求する...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 8; no. 1; pp. 1 - 17
Main Authors 野間, 弘康, 高木, 多加志, 田村, 英俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.04.1998
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.8.1

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Summary:「緒言」外科的矯正手術で最も重要なことは, 術後の顎位および咬合の安定である. したがって, 術後の顎位や咬合の変化についての研究報告は多いが1-24), これには多くの因子が複雑に関与しているためか, 変化の程度や変化の方向については報告によってまちまちで, 術後変化の予想に参考となるような一定の傾向は示されていない. 顎変形症には様々なタイプのものがあり, さらに下顎前突症をとり上げても前突の程度, 開咬や, 左右非対称を伴うか否かなど, 多くのヴァリエーションがある. また, 手術術式や固定法にも多くの方法がある. したがって, 術後の顎位や咬合の安定性と, それに関与する因子を追求する際には, まず変形のタイプと変形の程度, 手術術式と固定法を一定にする必要がある. しかしながら, このように条件が統一された下顎前突症について下顎枝矢状分割術後の顎位の安定性を詳細に検討した報告は少ない. そこで著者らは, 一定の条件を満たした, 骨格性の下顎前突症に対して下顎枝矢状分割術を行った94例の術前と術後2年間の顎顔面形態の変化を観察し, 顎位と咬合の術前後の変化と術後の安定性について形態学的に詳細に検討した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.8.1