GS21 航海での高分解能サブボトムプロファイラー探査に基づく トカラ列島周辺海域の海底下浅部構造

2021年10月に実施したGS21航海では,東京海洋大学の神鷹丸を用いて,トカラ列島周辺海域の火山フロント域を中心に高分解能サブボトムプロファイラー(Subbottom profiler;SBP)探査を行い,海底下浅部に関する地質情報を取得した.本論では,SBP探査により明らかになったトカラ列島周辺海域の東新曾根周辺部,臥蛇島南方域,五号曾根周辺部,及び奄美舟状海盆域の海底下浅部の地質構造をまとめる.東新曾根周辺部及び臥蛇島南方域は,五号曾根周辺部と比較して断層及び海底火山が少ない傾向にあり,成層構造からなる堆積層が発達している.五号曾根周辺では,断層に起因したと考えられる凹地地形や階段状の地...

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Published in地質調査研究報告 Vol. 74; no. 5-6; pp. 231 - 243
Main Authors 鈴木, 克明, 三澤, 文慶, 古山, 精史朗, 高下, 裕章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 28.12.2023
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ISSN1346-4272
2186-490X
DOI10.9795/bullgsj.74.5-6_231

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Summary:2021年10月に実施したGS21航海では,東京海洋大学の神鷹丸を用いて,トカラ列島周辺海域の火山フロント域を中心に高分解能サブボトムプロファイラー(Subbottom profiler;SBP)探査を行い,海底下浅部に関する地質情報を取得した.本論では,SBP探査により明らかになったトカラ列島周辺海域の東新曾根周辺部,臥蛇島南方域,五号曾根周辺部,及び奄美舟状海盆域の海底下浅部の地質構造をまとめる.東新曾根周辺部及び臥蛇島南方域は,五号曾根周辺部と比較して断層及び海底火山が少ない傾向にあり,成層構造からなる堆積層が発達している.五号曾根周辺では,断層に起因したと考えられる凹地地形や階段状の地形などが発達し,島嶼の間に海底火山と思われる地形的高まりが認められる.奄美舟状海盆では大島新曾根の北側斜面域でサンドウェーブに起因する特徴ある反射面が認められた.加えて,浸食地形の一種であるケスタ地形に類似した堆積層の層理面が浸食によりむき出しとなったエリアが認められた.
ISSN:1346-4272
2186-490X
DOI:10.9795/bullgsj.74.5-6_231