Pseudo-Meigs症候群を呈した若年発症の下行結腸癌同時性卵巣転移術後長期無再発生存の1例

症例は37歳の未産女性で,腹水,下腹部腫瘤の精査目的に当院を受診した.CT,MRIで胸腹水貯留と下行結腸腫瘍と右卵巣腫瘍を指摘され,下部消化管内視鏡検査で下行結腸癌と診断された.下行結腸癌同時性右卵巣転移もしくは原発性右卵巣腫瘍の術前診断のもと,下行結腸切除術および右付属器切除術を施行した.右卵巣腫瘍は免疫組織化学検査でCDX2陽性であり,胸腹水は術後に消失したため,pseudo-Meigs症候群を呈した下行結腸癌の卵巣転移と診断した.術後化学療法を36か月間行い,術後70か月間無再発生存中である.本症例は長期生存が得られている妊娠可能年齢発症例であるため,妊娠可能年齢ならではの治療選択を含め...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 54; no. 11; pp. 822 - 830
Main Authors 林, 忠毅, 田村, 浩章, 原田, 岳, 森, 弘樹, 西脇, 由朗, 金井, 俊和, 落合, 秀人, 大菊, 正人, 宮﨑, 真一郎, 北里, 周
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.11.2021
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2020.0153

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Summary:症例は37歳の未産女性で,腹水,下腹部腫瘤の精査目的に当院を受診した.CT,MRIで胸腹水貯留と下行結腸腫瘍と右卵巣腫瘍を指摘され,下部消化管内視鏡検査で下行結腸癌と診断された.下行結腸癌同時性右卵巣転移もしくは原発性右卵巣腫瘍の術前診断のもと,下行結腸切除術および右付属器切除術を施行した.右卵巣腫瘍は免疫組織化学検査でCDX2陽性であり,胸腹水は術後に消失したため,pseudo-Meigs症候群を呈した下行結腸癌の卵巣転移と診断した.術後化学療法を36か月間行い,術後70か月間無再発生存中である.本症例は長期生存が得られている妊娠可能年齢発症例であるため,妊娠可能年齢ならではの治療選択を含めて報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2020.0153