陸上競技選手の安静時代謝量は活性組織量に影響を受ける

本研究は,陸上競技の投擲選手(TR),短距離走者(SP),長距離走者(DR)における全身・各部位の除脂肪軟組織量(LSTM)と安静時代謝量(REE)の関係,および安静時代謝量の推定値を求め,競技特性との関係を明らかにすることを目的とした.被験者は,大学陸上競技選手 59名(TR : 20名,SP : 20名,DR : 19名)であった.身体組成測定は全身用デュアルX線骨密度測定装置(DXA 法)を用い,頭部,体幹部,上肢部,下肢部及び全身を測定した.種目間の有意な差異は,各部位および全身のLSTM においてみられた.TRにおける体重あたりのREE は,他の種目に比べ有意に低い値が示された.一方...

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Published inトレーニング科学 Vol. 22; no. 4; pp. 339 - 345
Main Authors 角田, 直也, 青葉, 貴明, 青山, 利春, 松本, 高明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本トレーニング科学会 2010
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ISSN1349-4414
2185-9191
DOI10.11327/trainings.22.339

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Summary:本研究は,陸上競技の投擲選手(TR),短距離走者(SP),長距離走者(DR)における全身・各部位の除脂肪軟組織量(LSTM)と安静時代謝量(REE)の関係,および安静時代謝量の推定値を求め,競技特性との関係を明らかにすることを目的とした.被験者は,大学陸上競技選手 59名(TR : 20名,SP : 20名,DR : 19名)であった.身体組成測定は全身用デュアルX線骨密度測定装置(DXA 法)を用い,頭部,体幹部,上肢部,下肢部及び全身を測定した.種目間の有意な差異は,各部位および全身のLSTM においてみられた.TRにおける体重あたりのREE は,他の種目に比べ有意に低い値が示された.一方,活性組織量あたりの安静時代謝量は,種目に関わらず30kcal/day/kg が示され,種目による顕著な差異は認められなかった.全身のLSTM とREE との間には有意な高い相関関係が認められた.これらのことから,安静時代謝量はスポーツ選手のトレーニング様式の違いによる活性組織量に影響を受けることが示唆された.
ISSN:1349-4414
2185-9191
DOI:10.11327/trainings.22.339