肺原発lymphoepithelioma-like carcinomaの組織像を呈した1例
症例は73歳日本人男性に発生した肺癌.腫瘍組織は, ヘマトキシリン・エオジン染色切片上lymphoepithelioma-like carcinoma (LELC) であったが, 腫瘍細胞にEBVを証明できなかった.2004年分類以前に報告された欧米人のLELC症例では腫瘍細胞にEBVが証明されておらず, 本症例はこれら欧米人の症例と同じものである.さらに, 本症例では腫瘍浸潤リンパ球にEBVが証明された.現在までにLELCにおける腫瘍浸潤リンパ球にEBVが証明された肺原発の症例は無いが, 他の組織型では証明されている.また, LELC以外の組織型でもEBVが腫瘍細胞に証明された例が報告されて...
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Published in | 昭和医学会雑誌 Vol. 68; no. 3; pp. 199 - 203 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
28.06.2008
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Subjects | |
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ISSN | 0037-4342 2185-0976 |
DOI | 10.14930/jsma1939.68.199 |
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Summary: | 症例は73歳日本人男性に発生した肺癌.腫瘍組織は, ヘマトキシリン・エオジン染色切片上lymphoepithelioma-like carcinoma (LELC) であったが, 腫瘍細胞にEBVを証明できなかった.2004年分類以前に報告された欧米人のLELC症例では腫瘍細胞にEBVが証明されておらず, 本症例はこれら欧米人の症例と同じものである.さらに, 本症例では腫瘍浸潤リンパ球にEBVが証明された.現在までにLELCにおける腫瘍浸潤リンパ球にEBVが証明された肺原発の症例は無いが, 他の組織型では証明されている.また, LELC以外の組織型でもEBVが腫瘍細胞に証明された例が報告されており, LELCの形態形成にEBVは必要ないと考えた.従って本症例は組織形態上LELCに合致する症例と考えた. |
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ISSN: | 0037-4342 2185-0976 |
DOI: | 10.14930/jsma1939.68.199 |