術後出血による気道閉塞に対してラリンジアルマスクが有効であった一症例

20歳の女性.下顎骨骨切り術の術後, 口腔内粘膜下出血による圧迫のために口腔内容量が狭小化し, 上気道閉塞をきたして呼吸困難に陥った.喉頭鏡を用いた気管挿管操作ならびにマスク換気は不能であったが, ラリンジアルマスク (laryngeal mask airway, 以下LMA) は, 一回の試技で容易に挿入することができ, 陽圧換気が可能であった.その後, LMAを介して内径5mmの気管チューブを挿管し, オプチュレータを用いて, 内径7.5mmの気管チューブを挿管した.術後第6病日に, 咽喉頭部にエアースペースが認められたため, 気管チューブを抜去し, その後は順調に経過した.口腔内粘膜下出...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 62; no. 6; pp. 407 - 410
Main Authors 桑迫, 勇登, 安本, 和正, 井上, 希代子, 遠井, 健司, 飛田, 育代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.12.2002
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.62.407

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Summary:20歳の女性.下顎骨骨切り術の術後, 口腔内粘膜下出血による圧迫のために口腔内容量が狭小化し, 上気道閉塞をきたして呼吸困難に陥った.喉頭鏡を用いた気管挿管操作ならびにマスク換気は不能であったが, ラリンジアルマスク (laryngeal mask airway, 以下LMA) は, 一回の試技で容易に挿入することができ, 陽圧換気が可能であった.その後, LMAを介して内径5mmの気管チューブを挿管し, オプチュレータを用いて, 内径7.5mmの気管チューブを挿管した.術後第6病日に, 咽喉頭部にエアースペースが認められたため, 気管チューブを抜去し, その後は順調に経過した.口腔内粘膜下出血による術後気道閉塞症例に対し, LMAの使用が極めて有用であった.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.62.407