両側陳旧性顎関節脱臼に対して観血的整復術を施行した1例

患者は85歳の男性。2008年5月交通事故にて顔面,全身を強打し救急病院に搬送された。両側下顎骨骨折,顎関節脱臼,肋骨・鎖骨骨折を認め全身麻酔下にて下顎骨骨折観血的整復固定術が施行されたが,顎関節脱臼は放置されていた。同年7月,両側顎関節脱臼の精査・加療目的に当科紹介初診となった。 下顎骨骨折に対して施行された前医における整復固定は不完全であった。気胸,肺炎を認めていたため,患者の全身状態と年齢を考慮し,2008年7月に下顎骨骨折に対して全身麻酔下にて下顎骨骨折観血的整復固定術のみ施行した。陳旧性の顎関節脱臼に対しては,全身状態を考慮して二期的に処置することとした。同年9月,顎関節脱臼に対して...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 23; no. 1; pp. 5 - 9
Main Authors 三次, 翔, 山下, 善弘, 宮本, 郁也, 山内, 健介, 野上, 晋之介, 高橋, 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 2011
Subjects
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu.23.5

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Summary:患者は85歳の男性。2008年5月交通事故にて顔面,全身を強打し救急病院に搬送された。両側下顎骨骨折,顎関節脱臼,肋骨・鎖骨骨折を認め全身麻酔下にて下顎骨骨折観血的整復固定術が施行されたが,顎関節脱臼は放置されていた。同年7月,両側顎関節脱臼の精査・加療目的に当科紹介初診となった。 下顎骨骨折に対して施行された前医における整復固定は不完全であった。気胸,肺炎を認めていたため,患者の全身状態と年齢を考慮し,2008年7月に下顎骨骨折に対して全身麻酔下にて下顎骨骨折観血的整復固定術のみ施行した。陳旧性の顎関節脱臼に対しては,全身状態を考慮して二期的に処置することとした。同年9月,顎関節脱臼に対して全身麻酔下にて関節突起切除術を施行した。術後,閉口可能となり脱臼の再発もなく1年を経過し現在経過良好である。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu.23.5