危険場面走行における脳卒中者と健常者の比較 脳卒中者の自動車運転シミュレータを用いた危険予測の検討

本研究は,脳卒中者と健常者の自動車運転シミュレータ(以下,DS)における危険場面走行の結果を分析した.対象は,当院の運転外来にて運転適性評価を行なった脳卒中患者41名と健常者28名で,脳卒中群は問題あり群と群に分け,健常者との3群で比較した.問題あり群は,危険場面10箇所のうち3箇所と総合点で有意に点数が低く,顕在的ハザードや行動予測ハザードに注意しながら潜在的ハザードにも対応することが求められる場面であった.一方で,健常群は,潜在的ハザードの要素が高い場面で失点する傾向にあった.脳卒中者へのDSによる評価では,危険場面の状況や文脈にも考慮して,運転の可否を判断することが必要である....

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Published in神奈川作業療法研究 Vol. 14; no. 1; pp. 18 - 26
Main Authors 所, 和彦, 對間, 泰雄, 林, 朋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 神奈川県作業療法士会 2024
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ISSN2186-0998
2758-0202
DOI10.57293/kanaotjournal.14.1_18

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Summary:本研究は,脳卒中者と健常者の自動車運転シミュレータ(以下,DS)における危険場面走行の結果を分析した.対象は,当院の運転外来にて運転適性評価を行なった脳卒中患者41名と健常者28名で,脳卒中群は問題あり群と群に分け,健常者との3群で比較した.問題あり群は,危険場面10箇所のうち3箇所と総合点で有意に点数が低く,顕在的ハザードや行動予測ハザードに注意しながら潜在的ハザードにも対応することが求められる場面であった.一方で,健常群は,潜在的ハザードの要素が高い場面で失点する傾向にあった.脳卒中者へのDSによる評価では,危険場面の状況や文脈にも考慮して,運転の可否を判断することが必要である.
ISSN:2186-0998
2758-0202
DOI:10.57293/kanaotjournal.14.1_18