創発的ビジネスフィールドリサーチによる製品系譜学を用いた企業研究所の製品開発プロセスの分析―実践知の生成・変容・継承に関する事例研究

本稿の目的は,会社αの研究所で27年間にわたって開発され,製品化に至った製品Xの開発プロセスの中で生成された実践知の生成・変容・継承過程を,製品系譜学を用いた調査により明らかにすることである.そのため,調査方法として,実務者が研究者となり,自身の実務現場を調査する,創発的ビジネスフィールドリサーチを採用した.また実践共同体とバウンダリー・オブジェクトの概念を用いて分析を行った.その結果,企業研究所の組織実践における実践知の生成・変容・継承過程を明らかにし,社内に継承された実践知と,実践に埋もれ形式知化できるがされてこなかった実践知との質的な違いを見出した....

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Published in経営情報学会誌 Vol. 30; no. 3; pp. 151 - 166
Main Authors 増田, 靖, 後藤, 謙太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 経営情報学会 15.12.2021
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ISSN0918-7324
2435-2209
DOI10.11497/jjasmin.30.3_151

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Summary:本稿の目的は,会社αの研究所で27年間にわたって開発され,製品化に至った製品Xの開発プロセスの中で生成された実践知の生成・変容・継承過程を,製品系譜学を用いた調査により明らかにすることである.そのため,調査方法として,実務者が研究者となり,自身の実務現場を調査する,創発的ビジネスフィールドリサーチを採用した.また実践共同体とバウンダリー・オブジェクトの概念を用いて分析を行った.その結果,企業研究所の組織実践における実践知の生成・変容・継承過程を明らかにし,社内に継承された実践知と,実践に埋もれ形式知化できるがされてこなかった実践知との質的な違いを見出した.
ISSN:0918-7324
2435-2209
DOI:10.11497/jjasmin.30.3_151