焦電結晶を用いた小型EPMAによる軽元素の分析

我々が過去に開発した,焦電結晶上に導電性の針を立てた小型電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)による分析では,Siを含まない試料でもSiの特性X線が検出されていた.X線取り出し窓に用いていたカプトンテープを粘着剤が使われていないカプトンフィルムに換え,針を立てる台の表面に塗布した真空用グリースをカプトンフィルムとPPC用紙で覆うことで,SiのX線を防ぐことができた.改良を施した装置を用いて製鋼スラグと硫化ニッケル(NiS)のEDXスペクトルを測定したところ,製鋼スラグの分析では,帯電防止処理をせずに主成分であるAl, Ca, Mn, およびFeを検出することができ,硫化ニッケルの分析ではN...

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Published inX線分析の進歩 Vol. 45; pp. 191 - 195
Main Authors 河合, 潤, 今宿, 晋, 大谷, 一誓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2014
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.45.0_191

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Summary:我々が過去に開発した,焦電結晶上に導電性の針を立てた小型電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)による分析では,Siを含まない試料でもSiの特性X線が検出されていた.X線取り出し窓に用いていたカプトンテープを粘着剤が使われていないカプトンフィルムに換え,針を立てる台の表面に塗布した真空用グリースをカプトンフィルムとPPC用紙で覆うことで,SiのX線を防ぐことができた.改良を施した装置を用いて製鋼スラグと硫化ニッケル(NiS)のEDXスペクトルを測定したところ,製鋼スラグの分析では,帯電防止処理をせずに主成分であるAl, Ca, Mn, およびFeを検出することができ,硫化ニッケルの分析ではNiとSを検出することができた.低エネルギーのX線は大気と装置に用いたカプトンフィルムによって減衰し,強度が低下した.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.45.0_191