遺残虫垂に発生した虫垂癌の1例

症例は59歳女性.既往として8歳時に急性虫垂炎にて虫垂切除術を受けている.平成18年2月右下腹部の腫瘤を自覚し, 3月婦人科を受診した.腹部MRI検査にて回盲部に大きさ6cmの腫瘤を認めた.4月下部消化管内視鏡検査では盲腸に境界不明な隆起性病変を認め, 生検結果はgroup3であった.注腸造影検査で盲腸部に腫瘤と回腸末端の拡張不良があり, 小腸への浸潤を強く疑わせた.腹部超音波検査及び腹部CT検査で肝後区域に大きさ1cmの転移性と思われる瘤影を認めた.以上により遺残虫垂もしくは盲腸より発生した粘液産生癌の疑いで, 右半結腸切除術 (D3) を施行した.病理組織学的所見で虫垂癌と診断された.虫垂...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in昭和医学会雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 71 - 76
Main Authors 横溝, 和晃, 増永, 敦子, 梅本, 岳宏, 松本, 匡史, 真田, 裕, 日比, 健志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.02.2008
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.68.71

Cover

More Information
Summary:症例は59歳女性.既往として8歳時に急性虫垂炎にて虫垂切除術を受けている.平成18年2月右下腹部の腫瘤を自覚し, 3月婦人科を受診した.腹部MRI検査にて回盲部に大きさ6cmの腫瘤を認めた.4月下部消化管内視鏡検査では盲腸に境界不明な隆起性病変を認め, 生検結果はgroup3であった.注腸造影検査で盲腸部に腫瘤と回腸末端の拡張不良があり, 小腸への浸潤を強く疑わせた.腹部超音波検査及び腹部CT検査で肝後区域に大きさ1cmの転移性と思われる瘤影を認めた.以上により遺残虫垂もしくは盲腸より発生した粘液産生癌の疑いで, 右半結腸切除術 (D3) を施行した.病理組織学的所見で虫垂癌と診断された.虫垂切除後51年後に遺残虫垂に発症した虫垂癌の1例を経験したので報告する.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.68.71