確定診断に難渋した喉頭病変を伴うIgG4関連疾患の1例

IgG4関連疾患は諸臓器に結節や肥厚性病変を呈する全身性疾患であるが,喉頭病変の報告は少ない。今回われわれは喉頭偽腫瘍を呈し,診断に難渋したIgG4関連疾患を経験した。症例は48歳男性,主訴は咽頭痛と嗄声であった。左披裂部の腫瘤性変化,左声帯麻痺,左頸部リンパ節腫脹を認めたが,喉頭およびリンパ節の生検では悪性所見を認めなかった。IgG4関連疾患を疑う所見を認めたが確定診断に至らなかった。肺病変が出現・増大し,切除肺組織の病理検査でIgG4関連疾患の診断基準を満たしたため,初診から約2年後にステロイド投与を行ったが声帯麻痺は残存した。喉頭腫瘤の鑑別ではIgG4関連疾患を想起することが必要である。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 34; no. 2; pp. 217 - 223
Main Authors 武田, 宜高, 米倉, 修二, 花澤, 豊行, 布施, 宏樹, 亀田, 茜, 岸野, 愛子, 新井, 智之, 飯沼, 智久, 平本, 琢人, 山崎, 一樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.34.217

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Summary:IgG4関連疾患は諸臓器に結節や肥厚性病変を呈する全身性疾患であるが,喉頭病変の報告は少ない。今回われわれは喉頭偽腫瘍を呈し,診断に難渋したIgG4関連疾患を経験した。症例は48歳男性,主訴は咽頭痛と嗄声であった。左披裂部の腫瘤性変化,左声帯麻痺,左頸部リンパ節腫脹を認めたが,喉頭およびリンパ節の生検では悪性所見を認めなかった。IgG4関連疾患を疑う所見を認めたが確定診断に至らなかった。肺病変が出現・増大し,切除肺組織の病理検査でIgG4関連疾患の診断基準を満たしたため,初診から約2年後にステロイド投与を行ったが声帯麻痺は残存した。喉頭腫瘤の鑑別ではIgG4関連疾患を想起することが必要である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.34.217