Rapid response system起動症例における心停止と入院診療科区分の関連
【背景】Rapid response system (RRS) の目的の一つは予期せぬ心停止数を減らすことである。有効な対策を講じるためには院内心停止患者の特徴を把握する必要があるが, 入院診療科区分と院内心停止発症との関連の検討は不十分である。【対象・方法】RRSが起動された当院入院患者314名を, 内科系 (n=122), 外科系 (n=153), 循環器系 (n=39) の3群に分類した。主要評価項目としてmedical emergency team (以下 MET) 接触時の心停止, 副次評価項目として重症例 (RRS起動後のICU入室またはRRS起動後24時間以内の死亡) と28日死...
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Published in | 日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 41; no. 4; pp. 383 - 387 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本救急医学会関東地方会
28.12.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0287-301X 2434-2580 |
DOI | 10.24697/jaamkanto.41.4_383 |
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Summary: | 【背景】Rapid response system (RRS) の目的の一つは予期せぬ心停止数を減らすことである。有効な対策を講じるためには院内心停止患者の特徴を把握する必要があるが, 入院診療科区分と院内心停止発症との関連の検討は不十分である。【対象・方法】RRSが起動された当院入院患者314名を, 内科系 (n=122), 外科系 (n=153), 循環器系 (n=39) の3群に分類した。主要評価項目としてmedical emergency team (以下 MET) 接触時の心停止, 副次評価項目として重症例 (RRS起動後のICU入室またはRRS起動後24時間以内の死亡) と28日死亡を解析した。【結果】MET接触時の心停止は, 各診療科区分の中で循環器系で最も頻度が高かった (内科系27.9%, 外科系41.2%, 循環器系53.8% ; P=0.0063) 。多変量解析でも循環器系は有意に院内心停止発症と関連した (adjusted OR 2.51, 95% CI 1.15-5.48, P=0.020) 。重症例と28日死亡の頻度は, 各診療科区分間の有意差を認めなかった。【結語】循環器系診療科区分の入院患者は予期せぬ院内心停止のリスクが高いため, さらなる予防策を講じる必要があると考えられる。 |
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ISSN: | 0287-301X 2434-2580 |
DOI: | 10.24697/jaamkanto.41.4_383 |