減圧開頭術と脳室ドレナージの併用による頭蓋内圧管理を施行した2例-重症頭部外傷に対する有用性の検討

34歳男性, 21歳男性の2例. 搬入時の意識レベルはいずれもGCS score 8以下の重症例で, 脳挫傷, 脳浮腫の増悪により脳ヘルニアをきたし, 減圧開頭術と脳室ドレナージを同時に施行した. 脳浮腫は重度であったが, 脳室ドレナージの挿入により開頭範囲は必要最小限となり, 頭蓋内圧管理は容易であり, 手術手技に関連した合併症はみられなかった. 減圧開頭術に脳室ドレナージを併用することは, 手術時間全体に大きな影響を及ぼさずに施行でき, さらには開頭範囲を必要最小限にすることができる可能性がある. 術後, さらに脳浮腫が増悪した場合であっても髄液の排液により有意に頭蓋内圧を低下させ, 転帰...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 37; no. 3; pp. 307 - 312
Main Authors 白井, 邦博, 平田, 淳一, 村上, 博基, 小林, 智行, 小濱, 圭祐, 佐藤, 聖子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.07.2023
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.37.3_04

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Summary:34歳男性, 21歳男性の2例. 搬入時の意識レベルはいずれもGCS score 8以下の重症例で, 脳挫傷, 脳浮腫の増悪により脳ヘルニアをきたし, 減圧開頭術と脳室ドレナージを同時に施行した. 脳浮腫は重度であったが, 脳室ドレナージの挿入により開頭範囲は必要最小限となり, 頭蓋内圧管理は容易であり, 手術手技に関連した合併症はみられなかった. 減圧開頭術に脳室ドレナージを併用することは, 手術時間全体に大きな影響を及ぼさずに施行でき, さらには開頭範囲を必要最小限にすることができる可能性がある. 術後, さらに脳浮腫が増悪した場合であっても髄液の排液により有意に頭蓋内圧を低下させ, 転帰の改善を期待できる.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.37.3_04