鈍的馬蹄腎損傷の1例

症例は74歳女性. 交通外傷で受傷し当院に搬送された. 馬蹄腎の狭部から左側腎にかけての損傷及び明瞭な造影剤の血管外漏出像を認めたため, 緊急経カテーテル的動脈塞栓術を施行した. 通常の腎動脈に加えて複数の栄養血管を有しており, いずれも塞栓して止血を得た. 馬蹄腎は椎体前方に狭部を有し可動性が乏しいため, 体幹部前方からの外力と椎体との挟圧によって損傷を受けやすい可能性がある. また, 複数の栄養血管の存在や尿路系に破格を認めることがあり, 止血手技や入院後管理において十分注意する必要がある....

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 6 - 8
Main Authors 浦城, 淳二, 楠田, 司, 佐藤, 啓太, 田村, 佳久, 山内, 洋介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.01.2020
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.34.1_01

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Summary:症例は74歳女性. 交通外傷で受傷し当院に搬送された. 馬蹄腎の狭部から左側腎にかけての損傷及び明瞭な造影剤の血管外漏出像を認めたため, 緊急経カテーテル的動脈塞栓術を施行した. 通常の腎動脈に加えて複数の栄養血管を有しており, いずれも塞栓して止血を得た. 馬蹄腎は椎体前方に狭部を有し可動性が乏しいため, 体幹部前方からの外力と椎体との挟圧によって損傷を受けやすい可能性がある. また, 複数の栄養血管の存在や尿路系に破格を認めることがあり, 止血手技や入院後管理において十分注意する必要がある.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.34.1_01