蛍光X線スペクトルのバックグラウンド低減

3ミリワットのX線管入力電力で測定した鉛含有樹脂の蛍光X線スペクトルのバックグラウンドを,偏光光学ジルコニウム2次ターゲットによって実験的に除去する方法と,秋間補間法によって数値的に除去する方法との2つの方式を試みた.どちらの方法もバックグラウンドを効率的に低減させることを示した.2つの方法で得られたバックグラウンドの低い蛍光X線スペクトルは,それぞれの原理とターゲット元素の違いに基づいて,異なる蛍光X線スペクトルとなった.偏光光学では,15ミリワットのX線管入力でも十分なS/Nの蛍光X線が測定できることを示した.秋間補間では,繰返し計算によるピークの重なりの新しい判別方法を提案した....

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Published inX線分析の進歩 Vol. 54; pp. 39 - 46
Main Authors 加藤, 駿英, 向山, 毅, 大橋, 律禅, 河合, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2023
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.54.0_39

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Summary:3ミリワットのX線管入力電力で測定した鉛含有樹脂の蛍光X線スペクトルのバックグラウンドを,偏光光学ジルコニウム2次ターゲットによって実験的に除去する方法と,秋間補間法によって数値的に除去する方法との2つの方式を試みた.どちらの方法もバックグラウンドを効率的に低減させることを示した.2つの方法で得られたバックグラウンドの低い蛍光X線スペクトルは,それぞれの原理とターゲット元素の違いに基づいて,異なる蛍光X線スペクトルとなった.偏光光学では,15ミリワットのX線管入力でも十分なS/Nの蛍光X線が測定できることを示した.秋間補間では,繰返し計算によるピークの重なりの新しい判別方法を提案した.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.54.0_39