里山二次林の皆伐施業に伴う環境変化に対するトビムシ群集の応答

京都市の里山二次林において,皆伐後のトビムシ群集の個体群変動を追跡調査した。皆伐後,群集レベルで総個体数は維持されたが,クラスター分析の結果,優占種の個体数変動のパターンにより5 つのグループに分類することができた。群集全体の総個体数が維持された主な要因として,種固有の乾燥耐性および高温耐性が寄与した結果,希少種および超希少種に含まれる特定種の個体数が増加したことが挙げられる。一方で,生息深度は個体数の維持および増加に対して影響を及ぼす要因とは考えられない。里山二次林のトビムシ群集は,施業履歴や植生などの要因に対応した構成種となっており,皆伐などの攪乱に対して特徴的な応答を示すといえる。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in森林応用研究 Vol. 27; no. 1; pp. 11 - 20
Main Author 中川, 宏治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 応用森林学会 28.02.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1342-9493
2189-8294
DOI10.20660/applfor.27.1_11

Cover

More Information
Summary:京都市の里山二次林において,皆伐後のトビムシ群集の個体群変動を追跡調査した。皆伐後,群集レベルで総個体数は維持されたが,クラスター分析の結果,優占種の個体数変動のパターンにより5 つのグループに分類することができた。群集全体の総個体数が維持された主な要因として,種固有の乾燥耐性および高温耐性が寄与した結果,希少種および超希少種に含まれる特定種の個体数が増加したことが挙げられる。一方で,生息深度は個体数の維持および増加に対して影響を及ぼす要因とは考えられない。里山二次林のトビムシ群集は,施業履歴や植生などの要因に対応した構成種となっており,皆伐などの攪乱に対して特徴的な応答を示すといえる。
ISSN:1342-9493
2189-8294
DOI:10.20660/applfor.27.1_11