喉頭症状を呈した耳性帯状疱疹の2例

多発性脳神経障害を伴つた耳性帯状疱疹の2例を報告した. 最初の症例は72歳男性で, 第VII, 第IX, 第X脳神経障害が認められ, 耳介および喉頭蓋の発疹, 咽頭側索潰瘍を呈した. 二番目の症例は61歳男性で, 第V, 第IX, 第X脳神経障害が認められ, 耳介および喉頭蓋に水疱を呈した. ヘルペスによる障害部位は舌咽神経と迷走神経の支配領域に特に顕著に認められた. これらの症例では, 舌咽神経と迷走神経の障害が大きな役割を果たしていると思われ, 水痘帯状疱疹ウイルスはこれらの脳神経間の解剖学的な連鎖を介して広がつたものと思われた....

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Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 43; no. 4; pp. 492 - 496
Main Authors 田中, 克彦, 熊谷, 雅彦, 西川, 仁美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.07.1997
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.43.4_492

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Summary:多発性脳神経障害を伴つた耳性帯状疱疹の2例を報告した. 最初の症例は72歳男性で, 第VII, 第IX, 第X脳神経障害が認められ, 耳介および喉頭蓋の発疹, 咽頭側索潰瘍を呈した. 二番目の症例は61歳男性で, 第V, 第IX, 第X脳神経障害が認められ, 耳介および喉頭蓋に水疱を呈した. ヘルペスによる障害部位は舌咽神経と迷走神経の支配領域に特に顕著に認められた. これらの症例では, 舌咽神経と迷走神経の障害が大きな役割を果たしていると思われ, 水痘帯状疱疹ウイルスはこれらの脳神経間の解剖学的な連鎖を介して広がつたものと思われた.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.43.4_492