メトトレキセート-5FU, 5FU-ロイコボリン交互療法が奏効した低分化型直腸癌の1例

62歳,女性.左頚部腫瘤を主訴に来院.Virchowリンパ節と大動脈周囲リンパ節転移を伴う3型の直腸S状部低分化腺癌と診断された.CEAは45.8(正常値0.0~5.0)ng/ml.本例に,メトトレキセート(以下MTX)-5FU,5FU-ロイコボリン(以下LV)交互療法を3クール施行した.プロトコールは1コース56日間とし,前半4週に5FU急速静注のMTX-5FU交代療法を2回施行し,後半4週に5FU接続投与の5FU-LV療法を施行するものとした.2コース終了時において,原発巣は著効を示し,リンパ節転移は50%以上の縮小を認め,有効であった.CEAは9.5ng/mlへと低下した,この状態は4週...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 51; no. 7; pp. 479 - 484
Main Authors 野末, 睦, 深尾, 立, 足立, 信也, 小池, 直人, 井坂, 直秀, 川本, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 1998
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.51.479

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Summary:62歳,女性.左頚部腫瘤を主訴に来院.Virchowリンパ節と大動脈周囲リンパ節転移を伴う3型の直腸S状部低分化腺癌と診断された.CEAは45.8(正常値0.0~5.0)ng/ml.本例に,メトトレキセート(以下MTX)-5FU,5FU-ロイコボリン(以下LV)交互療法を3クール施行した.プロトコールは1コース56日間とし,前半4週に5FU急速静注のMTX-5FU交代療法を2回施行し,後半4週に5FU接続投与の5FU-LV療法を施行するものとした.2コース終了時において,原発巣は著効を示し,リンパ節転移は50%以上の縮小を認め,有効であった.CEAは9.5ng/mlへと低下した,この状態は4週間以上継続した.重篤な副作用は出現せず,performance statusは0のまま経過した.しかし,第3コースの半ばより,腫瘍は再度増大するようになり,全身状態の悪化とともに,治療開始から約9カ月後に死亡した.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.51.479