郵送法を用いた免疫学的便潜血反応による大腸癌集検8900例の検討
郵送法を用い,全国より大腸癌集検希望者8900例を対象に5種類の免疫学的便潜血反応を実施した.検査方法はモノクロナール抗体(2,261名),RPHA(1,702名),EIA(1,366名), Latex・OCヘモディア(1,828名),Latexイムノカルト(906名)である.検査資料の返送率90.4%,潜血反応陽性率9.2%であった.陽性者の中,精検実施例は533例で,そのうち大腸癌11例,大腸腺腫42例,大腸ポリープ26例,その他大腸憩室30例,潰瘍性大腸炎5例,直腸カルチノイド3例などを発見した.各検査法別の陽性率はEIAがとくに高く,次いでLatex, RPHA,モノクロナール抗体法の...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 41; no. 6; pp. 812 - 818 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
1988
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.41.812 |
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Summary: | 郵送法を用い,全国より大腸癌集検希望者8900例を対象に5種類の免疫学的便潜血反応を実施した.検査方法はモノクロナール抗体(2,261名),RPHA(1,702名),EIA(1,366名), Latex・OCヘモディア(1,828名),Latexイムノカルト(906名)である.検査資料の返送率90.4%,潜血反応陽性率9.2%であった.陽性者の中,精検実施例は533例で,そのうち大腸癌11例,大腸腺腫42例,大腸ポリープ26例,その他大腸憩室30例,潰瘍性大腸炎5例,直腸カルチノイド3例などを発見した.各検査法別の陽性率はEIAがとくに高く,次いでLatex, RPHA,モノクロナール抗体法の順であり,また大腸癌,大腸腺腫,大腸ポリープの診断率はLatex法にもっとも高く認めた.郵送法による大腸癌便潜血法は自宅において,大腸癌に対するスクリーニング検査法として有用であり,とくに免疫学的便潜血反応は,食餌制限も必要としないため,広く普及される価値がある方法と考える. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.41.812 |