ヘルニア修復術後の陰嚢内に発生したフィブリン関連大細胞型B細胞リンパ腫の1例

要旨:ヘルニア修復術後の陰嚢に発生したフィブリン関連大細胞型B細胞リンパ腫を経験した。症例は80歳代男性。右鼠経ヘルニア術後から右陰嚢が徐々に腫大し,術後約25年で右陰嚢内腫瘤が摘出された。腫瘤の大部分はフィブリンで,辺縁に核形不整を示す大型異常Bリンパ球が少数かつ疎らに存在した。腫瘍細胞はCD20,CD79a,PAX5を発現し,Epstein-Barrウイルス陽性であることから診断に至った。本病型は希少なリンパ腫であるが,治療や予後の観点から他の大細胞型B細胞リンパ腫と区別して診断する必要がある。...

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Published in診断病理 Vol. 42; no. 2; pp. 164 - 169
Main Authors 山本, 健夫, 大石, 直輝, 桐戸, 敬太, 藤原, 万衣孔, 望月, 恵音, 田原, 一平, 横田, ゆか, 中楯, 礼人, 髙橋, 宣弘, 近藤, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本病理学会 2025
Subjects
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ISSN1345-6431
2759-8128
DOI10.69281/jspjjdp.2024_12_0052

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Summary:要旨:ヘルニア修復術後の陰嚢に発生したフィブリン関連大細胞型B細胞リンパ腫を経験した。症例は80歳代男性。右鼠経ヘルニア術後から右陰嚢が徐々に腫大し,術後約25年で右陰嚢内腫瘤が摘出された。腫瘤の大部分はフィブリンで,辺縁に核形不整を示す大型異常Bリンパ球が少数かつ疎らに存在した。腫瘍細胞はCD20,CD79a,PAX5を発現し,Epstein-Barrウイルス陽性であることから診断に至った。本病型は希少なリンパ腫であるが,治療や予後の観点から他の大細胞型B細胞リンパ腫と区別して診断する必要がある。
ISSN:1345-6431
2759-8128
DOI:10.69281/jspjjdp.2024_12_0052