琵琶湖の浚渫土中の散布体バンクの種組成と空間的分布

琵琶湖の浚渫土中の散布体バンクの種組成と,空間的分布に関係する環境変数を明らかにするため,琵琶湖北湖8 地点において浚渫土を採取し,撒きだし実験を行った。その結果,車軸藻類2 分類群,蘚苔類1 種,シダ植物1 種・1 分類群,維管束植物48 種・2 分類群からなる50 種・5 分類群が確認された。現存植生調査では記録されたオオカナダモやコカナダモなどの外来の水生植物は発芽しなかった。一般化線形モデルによる分析の結果,水生植物の種数は砂の割合によって説明され,沈水植物,水生植物および在来の水生・湿生植物の個体数は砂の割合と前回の浚渫からの経過年数によって説明された。これらの結果から,浚渫土の粒径...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 38; no. 1; pp. 85 - 90
Main Authors 小田, 龍聖, 森本, 幸裕, 夏原, 由博, 今西, 純一, 今西, 亜友美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 2012
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ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.38.85

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Summary:琵琶湖の浚渫土中の散布体バンクの種組成と,空間的分布に関係する環境変数を明らかにするため,琵琶湖北湖8 地点において浚渫土を採取し,撒きだし実験を行った。その結果,車軸藻類2 分類群,蘚苔類1 種,シダ植物1 種・1 分類群,維管束植物48 種・2 分類群からなる50 種・5 分類群が確認された。現存植生調査では記録されたオオカナダモやコカナダモなどの外来の水生植物は発芽しなかった。一般化線形モデルによる分析の結果,水生植物の種数は砂の割合によって説明され,沈水植物,水生植物および在来の水生・湿生植物の個体数は砂の割合と前回の浚渫からの経過年数によって説明された。これらの結果から,浚渫土の粒径組成と浚渫後の経過年数は,散布体バンク内の種数と個体数が多い地点を予測する際に重要な指標となりうることが示唆された。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.38.85