ボイラー排ガスのCO2分離回収用省エネルギー型化学吸収剤の開発

化学吸収法でボイラー排ガスからCO2を分離するとき最大の欠点である再生エネルギーを節減するため, 省エネ型吸収剤の開発を行った.数多くのアルカノールアミン約40種から, ヒンダードアミンを中心に, CO2の吸収能力が高いものをスクリーニング試験によって抽出するとともに, 反応熱の測定を行ない有望な吸収剤をしぼりこんだ.そして, 有望なヒンダードアミンについてベンチスケールテストと大阪南港発電所パイロットプラント試験を実施した. 省エネ型化学吸収剤 (KS-1) の優れた特性は次のとおりである. (1) 単位CO2回収量当りの所要熱エネルギーは, 約3.0×103kJ/kg-CO2と少ない.これ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in化学工学論文集 Vol. 21; no. 3; pp. 478 - 485
Main Authors 三村, 富雄, 光岡, 薫明, 下條, 繁, 飯島, 正樹, 須田, 泰一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1995
Online AccessGet full text
ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.21.478

Cover

More Information
Summary:化学吸収法でボイラー排ガスからCO2を分離するとき最大の欠点である再生エネルギーを節減するため, 省エネ型吸収剤の開発を行った.数多くのアルカノールアミン約40種から, ヒンダードアミンを中心に, CO2の吸収能力が高いものをスクリーニング試験によって抽出するとともに, 反応熱の測定を行ない有望な吸収剤をしぼりこんだ.そして, 有望なヒンダードアミンについてベンチスケールテストと大阪南港発電所パイロットプラント試験を実施した. 省エネ型化学吸収剤 (KS-1) の優れた特性は次のとおりである. (1) 単位CO2回収量当りの所要熱エネルギーは, 約3.0×103kJ/kg-CO2と少ない.これは従来の吸収剤から大幅に削減するものである. (2) 腐食性が低く, 基礎実験で腐食減少量の経時変化を見るとMEA (添加剤) の1/20のレベルである. (3) 熱安定性塩 (劣化生成物) の生成速度が非常に少なく大幅に劣化特性を良くすることができた.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.21.478