初回受傷時に見逃された肘関節後外側回旋不安定症の2例

【はじめに】肘関節PLRIは,軸圧,回外,内反の結果生じるLCL損傷である.今回,初回受傷時に見逃され,慢性PLRIを呈した症例を経験したので報告する.【症例1】54歳女性.橈骨頭骨折と上腕骨小頭に欠損像とそれに相対する陳旧性の骨片を認めた.PLRIテスト陽性で骨接合,偽関節手術,LCLの縫縮を行なった.術後経過良好である.【症例2】32歳男性.著明なOA変化と上腕骨小頭・橈骨頭の欠損と陳旧性骨片を認めた.骨片摘出とLCLの縫縮を行なったが,術後2ヶ月時に再受傷してPLRIの再燃を認め,LCL再建を行なった.術後1年半で経過良好である.【考察とまとめ】PLRIは近年広く周知されているが,受傷機...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 26; no. 2; pp. 110 - 113
Main Authors 松田, 匡弘, 櫛田, 学, 徳永, 真巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2019
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.26.2_110

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Summary:【はじめに】肘関節PLRIは,軸圧,回外,内反の結果生じるLCL損傷である.今回,初回受傷時に見逃され,慢性PLRIを呈した症例を経験したので報告する.【症例1】54歳女性.橈骨頭骨折と上腕骨小頭に欠損像とそれに相対する陳旧性の骨片を認めた.PLRIテスト陽性で骨接合,偽関節手術,LCLの縫縮を行なった.術後経過良好である.【症例2】32歳男性.著明なOA変化と上腕骨小頭・橈骨頭の欠損と陳旧性骨片を認めた.骨片摘出とLCLの縫縮を行なったが,術後2ヶ月時に再受傷してPLRIの再燃を認め,LCL再建を行なった.術後1年半で経過良好である.【考察とまとめ】PLRIは近年広く周知されているが,受傷機転や合併する骨折型から受傷機転を推測することが肝要である.本報告では,上腕骨小頭と橈骨頭に骨折を認めた.OA症例では骨性支持の破綻や靱帯不安定性があると考え,靱帯再建が望ましい.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.26.2_110