保存加療が無効であった上腕骨内側上顆炎に対する観血的治療

背景:上腕骨内側上顆炎の中には,稀に保存療法に抵抗する難治例が存在する.今回6例に対して手術を行ったので報告する. 対象:6例6肘(男性2例,女性4例,平均年齢45.1歳)を対象とした.4例で尺骨神経症状を合併していた.理学療法およびステロイド局所注射を含めた保存療法が無効,ADLに著しく支障があり,MRIにて回内屈筋群起始部に異常所見がある場合を手術適応とした.全例で直視下に回内屈筋群起始部を腱線維方向に切開し変性組織を切除した.これらの症例に対してJOA-JES scoreならびにVASを検討した. 結果:JOA-JES scoreは術前65.3点から術後98.0点へ,VASは術前7.8点...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 311 - 314
Main Authors 小原, 賢司, 田鹿, 佑太朗, 西中, 直也, 松久, 孝行, 鈴木, 昌, 古屋, 貫治, 大澤, 一誉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2017
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.24.2_311

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Summary:背景:上腕骨内側上顆炎の中には,稀に保存療法に抵抗する難治例が存在する.今回6例に対して手術を行ったので報告する. 対象:6例6肘(男性2例,女性4例,平均年齢45.1歳)を対象とした.4例で尺骨神経症状を合併していた.理学療法およびステロイド局所注射を含めた保存療法が無効,ADLに著しく支障があり,MRIにて回内屈筋群起始部に異常所見がある場合を手術適応とした.全例で直視下に回内屈筋群起始部を腱線維方向に切開し変性組織を切除した.これらの症例に対してJOA-JES scoreならびにVASを検討した. 結果:JOA-JES scoreは術前65.3点から術後98.0点へ,VASは術前7.8点から術後0.6点へ改善した.尺骨神経症状がみられた4例全てにおいて症状の消失が認められた.いずれの症例もADLに支障なく患者の満足度は高い. 考察:内側上顆炎の難治例に対する病巣切除術は手術手技が比較的簡便で成績も良好である.保存加療に抵抗した症例に対する治療法の選択肢となり得る.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.24.2_311