大学病院における全科型 NST活動の成果と課題

当院は全科型 NSTが2003年7月より稼働し、10年を迎えた。院内スタッフの間で NST活動が浸透し、介入件数は約600症例となっている。摂食嚥下チームや口腔ケアチームとも連携して活動し、サポートも幅広い内容となっている。介入前後における栄養管理の推移をみると、静脈栄養の症例は介入前76%から介入後は42%と減少し、これに対して経口摂取が可能な症例が介入前20%から介入後は52%に増加していた。介入症例の転帰は57%が軽快退院であり、26%が転院、17%が死亡退院であり、血清アルブミン値やリンパ球数が軽快退院群では有意に上昇していたのに対して、転院・死亡退院群では介入後も有意に低下していた。...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 30; no. 6; pp. 1307 - 1310
Main Authors 星野, 伸夫, 堀江, 美弥, 仲川, 満弓, 岡田, 信子, 神谷, 貴樹, 佐々木, 雅也, 三上, 貴子, 栗原, 美香, 荒木, 信一, 湯本, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2015
Subjects
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.30.1307

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Summary:当院は全科型 NSTが2003年7月より稼働し、10年を迎えた。院内スタッフの間で NST活動が浸透し、介入件数は約600症例となっている。摂食嚥下チームや口腔ケアチームとも連携して活動し、サポートも幅広い内容となっている。介入前後における栄養管理の推移をみると、静脈栄養の症例は介入前76%から介入後は42%と減少し、これに対して経口摂取が可能な症例が介入前20%から介入後は52%に増加していた。介入症例の転帰は57%が軽快退院であり、26%が転院、17%が死亡退院であり、血清アルブミン値やリンパ球数が軽快退院群では有意に上昇していたのに対して、転院・死亡退院群では介入後も有意に低下していた。院内全体での経腸栄養剤の使用量や在院日数の推移においてもNST稼働後の変化が明らかである。今後は転院症例も多いことから病病連携、病診連携の強化による地域一帯型の NSTの構築が課題である。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.30.1307