当科における腺様嚢胞癌14例の検討

当科で経験した腺様嚢胞癌14例を検討した. 年齢範囲は26歳~72歳, 平均年齢45.8歳, 性別では男性7例, 女性7例で同数であつた. 病悩期間は平均2.4年, 発生部位は耳下腺4例, 上顎洞3例, 硬口蓋2例, その他5例であつた. 進行度はStage IIIおよび Stage IVが8例で過半数を占めていた. 治療は外科的治療が第一選択で, 14例中12例に根治的外科治療が施行されていた. 外科的切除の際は広範な切除が要求され, 切除断面残存, 再発に対しては70Gy以上の照射線量が必要と考えられた. 症例により化学療法と放射線療法の併用が有効であつた. また初回治療を成功裏に行うこと...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 39; no. 1; pp. 7 - 12
Main Authors 渡久山, 章雄, 神谷, 聰, 古謝, 静男, 長田, 紀与志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1993
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.39.1_7

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Summary:当科で経験した腺様嚢胞癌14例を検討した. 年齢範囲は26歳~72歳, 平均年齢45.8歳, 性別では男性7例, 女性7例で同数であつた. 病悩期間は平均2.4年, 発生部位は耳下腺4例, 上顎洞3例, 硬口蓋2例, その他5例であつた. 進行度はStage IIIおよび Stage IVが8例で過半数を占めていた. 治療は外科的治療が第一選択で, 14例中12例に根治的外科治療が施行されていた. 外科的切除の際は広範な切除が要求され, 切除断面残存, 再発に対しては70Gy以上の照射線量が必要と考えられた. 症例により化学療法と放射線療法の併用が有効であつた. また初回治療を成功裏に行うことが, 遠隔転移防止につながると考えられ, とくに組織的にsolid patternの存在する例では, 広範な切除と術後照射を十分行うことが重要と考えられた. 14例中死亡した2例は肺転移が原因であつた.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.39.1_7