マイヤー処方ヘマトシリン液における組成についての一考察

ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色で使用されるマイヤー処方のヘマトキシリンについてその選択的染色性について解析した。方法:ブタ胃パラフィン切片を作製し以下項目について検討した。①ヨウ素酸ナトリウム(酸化剤)添加量、②クエン酸添加量、③抱水クロラールの有無などによる性状・pH・染色性の変化である。結果:①ヘマトキシリン試薬が古い場合、酸化剤の量を原法(0.2g)に準じると染色性の低下がみられた。②クエン酸添加では、pHが2.46以下であれば共染がみられず、pH2.3以下であると染色性が低下することが分かった。③抱水クロラールの有無は作製2ヶ月後まで性状や染色性にほとんど影響しなかった。まとめ:...

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Published in保健医療福祉科学 Vol. 10; pp. 10 - 15
Main Authors 安藤, 克己, 佐藤, 菜摘, 山本, 杏奈, 矢野, 哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会 2020
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ISSN2186-750X
2434-5393
DOI10.32256/spujhcs.10.0_10

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Summary:ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色で使用されるマイヤー処方のヘマトキシリンについてその選択的染色性について解析した。方法:ブタ胃パラフィン切片を作製し以下項目について検討した。①ヨウ素酸ナトリウム(酸化剤)添加量、②クエン酸添加量、③抱水クロラールの有無などによる性状・pH・染色性の変化である。結果:①ヘマトキシリン試薬が古い場合、酸化剤の量を原法(0.2g)に準じると染色性の低下がみられた。②クエン酸添加では、pHが2.46以下であれば共染がみられず、pH2.3以下であると染色性が低下することが分かった。③抱水クロラールの有無は作製2ヶ月後まで性状や染色性にほとんど影響しなかった。まとめ:マイヤー処方のヘマトキシリンの調整には、試薬の保管期間によってヨウ素酸ナトリウムの微量な添加量の差により染色性が異なることが分かった。また、抱水クロラールは添加する必要のない可能性が示唆された。
ISSN:2186-750X
2434-5393
DOI:10.32256/spujhcs.10.0_10