ベンゾジアゼピン受容体作動薬使用症の理解と治療―有害な使用と依存

物質使用症の中で,ベンゾジアゼピン受容体作動薬(以下,BZRA)を対象薬物とする患者が増加している。BZRA使用症の中でも,過剰服薬が問題となる有害な使用や,コントロールを失い社会的にも障害が生じる依存が臨床上問題となることが多い。BZRA使用症の患者は女性に多く,20代や30代といった若年世代に多いといった特徴がある。これまでの物質使用症患者とは属性が異なっており,治療についても単に断薬を目指せばよいというわけではなく難渋することが多い。これらを踏まえ,本論文ではBZRAの依存性物質としての特性についてと,生きづらさの対処として自己治療的に使用してしまう使用症患者の特徴について概説する。そし...

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Published in不安症研究 Vol. 16; no. 1; pp. 12 - 20
Main Authors 松本, 俊彦, 宇佐美, 貴士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本不安症学会 30.11.2024
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ISSN2188-7578
2188-7586
DOI10.14389/jsad.16.1_12

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Summary:物質使用症の中で,ベンゾジアゼピン受容体作動薬(以下,BZRA)を対象薬物とする患者が増加している。BZRA使用症の中でも,過剰服薬が問題となる有害な使用や,コントロールを失い社会的にも障害が生じる依存が臨床上問題となることが多い。BZRA使用症の患者は女性に多く,20代や30代といった若年世代に多いといった特徴がある。これまでの物質使用症患者とは属性が異なっており,治療についても単に断薬を目指せばよいというわけではなく難渋することが多い。これらを踏まえ,本論文ではBZRAの依存性物質としての特性についてと,生きづらさの対処として自己治療的に使用してしまう使用症患者の特徴について概説する。そして使用症からの回復に必要なことを,BZRAの減量法を含めまとめたい。
ISSN:2188-7578
2188-7586
DOI:10.14389/jsad.16.1_12