地下水データベース構築と汎用化に向けた展望

これまでの研究や調査によって得られた膨大な地下水データを体系的かつ統一的に収容し,電子情報等で提供するデータベースの構築が求められる。本論説では,地下水データの分類からその多様性を整理した上で,日本地下水学会「地域地下水情報データベース」を含む国内外のデータベースの現状をレビューする。その上で,データベース構築に向け,地下水データの本質的な課題として,時空間的な変動性,データの不確実性,スケール依存性を踏まえ,求められる地下水データベースの要件について論ずる。更に,データベースの発展として,データのない地点の値の推定あるいは将来の値の予測を汎用化と定義し,空間内挿推定,数値シミュレーション,機...

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Published in地下水学会誌 Vol. 67; no. 1; pp. 7 - 30
Main Authors 柏谷 公希, 利部 慎, 愛知 正温, 阪田 義隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地下水学会 28.02.2025
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ISSN0913-4182
2185-5943
DOI10.5917/jagh.67.7

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Summary:これまでの研究や調査によって得られた膨大な地下水データを体系的かつ統一的に収容し,電子情報等で提供するデータベースの構築が求められる。本論説では,地下水データの分類からその多様性を整理した上で,日本地下水学会「地域地下水情報データベース」を含む国内外のデータベースの現状をレビューする。その上で,データベース構築に向け,地下水データの本質的な課題として,時空間的な変動性,データの不確実性,スケール依存性を踏まえ,求められる地下水データベースの要件について論ずる。更に,データベースの発展として,データのない地点の値の推定あるいは将来の値の予測を汎用化と定義し,空間内挿推定,数値シミュレーション,機械学習の3手法を取り上げ,それら手法の研究の最前線を紹介する。
ISSN:0913-4182
2185-5943
DOI:10.5917/jagh.67.7