SLE合併破裂脳動脈瘤の臨床病理学的検討から血管炎以外の原因が推定された1例

突然の頭痛を契機とする急速な意識障害で発症したSLE罹患中の43歳女性. 急性硬膜下血腫を認め, 術中所見から右後大脳動脈末梢性脳動脈瘤が出血源と判断した. 術後精査でもう1箇所の末梢性動脈瘤と右内頚動脈終末部狭窄を認め, 類もやもや病と判断した. 経過中, 残存動脈瘤も破裂したため開頭で摘出した. 2箇所の動脈瘤病理検査では, perivascular infiltrationと血管拡張傾向を認め, 典型的な血管炎はなかった. SLE合併脳動脈瘤の病理学的な報告はきわめてまれで, 血管炎が原因とするものが多いが, 本症例では, 典型的血管炎以外の複合的要因により, 動脈瘤の発生破裂に至ったと...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 29; no. 5; pp. 375 - 380
Main Authors 鈴木, 康彦, 中島, 拓真, 飯島, 健太郎, 村岡, 真輔, 纐纈, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2020
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.29.375

Cover

More Information
Summary:突然の頭痛を契機とする急速な意識障害で発症したSLE罹患中の43歳女性. 急性硬膜下血腫を認め, 術中所見から右後大脳動脈末梢性脳動脈瘤が出血源と判断した. 術後精査でもう1箇所の末梢性動脈瘤と右内頚動脈終末部狭窄を認め, 類もやもや病と判断した. 経過中, 残存動脈瘤も破裂したため開頭で摘出した. 2箇所の動脈瘤病理検査では, perivascular infiltrationと血管拡張傾向を認め, 典型的な血管炎はなかった. SLE合併脳動脈瘤の病理学的な報告はきわめてまれで, 血管炎が原因とするものが多いが, 本症例では, 典型的血管炎以外の複合的要因により, 動脈瘤の発生破裂に至ったと考えられた.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.29.375