高画質内視鏡時代のトルコ鞍近傍解剖

内視鏡の性能が向上し, フルハイビジョン内視鏡や4K内視鏡を用いて経鼻内視鏡頭蓋底手術を行う機会が増えてきた. 本稿では経鼻内視鏡手術に最低限必要なトルコ鞍近傍解剖を, 特に頭蓋内構造物を意識したかたちでカダバー写真なども用いながら整理し, さらに実際の経鼻内視鏡手術症例を提示する. 内側視神経内頚動脈陥凹 (medial optico-carotid recess : OCR), 外側視神経内頚動脈陥凹 (lateral OCR) は経鼻側と頭蓋内の解剖理解を促進するkey anatomical pointとなる. また翼突管は破裂孔近辺のICAの露出に役立つ. カタバー実習などをとおして,...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 30; no. 9; pp. 655 - 664
Main Authors 丹治, 正大, 宮本, 享, 舟木, 健史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2021
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.30.655

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Summary:内視鏡の性能が向上し, フルハイビジョン内視鏡や4K内視鏡を用いて経鼻内視鏡頭蓋底手術を行う機会が増えてきた. 本稿では経鼻内視鏡手術に最低限必要なトルコ鞍近傍解剖を, 特に頭蓋内構造物を意識したかたちでカダバー写真なども用いながら整理し, さらに実際の経鼻内視鏡手術症例を提示する. 内側視神経内頚動脈陥凹 (medial optico-carotid recess : OCR), 外側視神経内頚動脈陥凹 (lateral OCR) は経鼻側と頭蓋内の解剖理解を促進するkey anatomical pointとなる. また翼突管は破裂孔近辺のICAの露出に役立つ. カタバー実習などをとおして, 頭蓋底解剖を開頭側および経鼻内視鏡側で対比させながら理解することがより安全で効果的な手術をするために必要である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.30.655