眼窩より発生したランゲルハンス細胞組織球症の 1 例
ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cellhistiocytosis:以下 LCH)はランゲルハンス細胞が単クローン性に増殖する原因不明の疾患で、罹患率は 1-2 人/100 万人とまれである。今回われわれは、眼窩より発生した LCH の小児例を経験したので報告する。症例は 5 歳の男児。1 カ月前より左眼窩の腫脹を生じ急速な増大を認め、近医総合病院を受診。眼窩由来の悪性腫瘍を疑われ、精査・加療目的に紹介受診となった。当院初診時には、左眼窩外側の骨破壊および左外眼角部皮膚は自潰し易出血性腫瘤の露出を認めた。MRI 画像では外直筋や眼窩脂肪織との境界不明瞭な腫瘍を認め、PET-C...
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| Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 67; no. 5; pp. 329 - 333 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
耳鼻と臨床会
20.09.2021
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| Subjects | |
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| ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
| DOI | 10.11334/jibi.67.5_329 |
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| Summary: | ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cellhistiocytosis:以下 LCH)はランゲルハンス細胞が単クローン性に増殖する原因不明の疾患で、罹患率は 1-2 人/100 万人とまれである。今回われわれは、眼窩より発生した LCH の小児例を経験したので報告する。症例は 5 歳の男児。1 カ月前より左眼窩の腫脹を生じ急速な増大を認め、近医総合病院を受診。眼窩由来の悪性腫瘍を疑われ、精査・加療目的に紹介受診となった。当院初診時には、左眼窩外側の骨破壊および左外眼角部皮膚は自潰し易出血性腫瘤の露出を認めた。MRI 画像では外直筋や眼窩脂肪織との境界不明瞭な腫瘍を認め、PET-CT では眼窩腫瘍に一致して高度集積を認めた。生検術を施行し、壊死傾向の強い好酸性細胞質を有する異型細胞が存在し、免疫染色にて CD1a および CD163 陽性所見を認めた。以上より LCH の診断となった。臨床的には LCH 単一臓器限局型の診断となり、プレドニゾロン内服単独治療(60 mg/m2/day から漸減)を開始し、腫瘍の著明な退縮と良好な経過を得た。 |
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| ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
| DOI: | 10.11334/jibi.67.5_329 |