ベッド上での上方移動における補助具の活用が援助者および被援助者の心身に与える影響
本研究の目的は, 床上での上方移動において「補助具」「補助具を頭側から用いる方法」「補助具を側方から用いる方法」の3条件を設定し, 援助者と被援助者の身体的・心理的負担について準備期・実施期・終了期の視点から分析し, 上方移動時の被援助者に及ぼす影響とその関連要因について明らかにすることである. 被験者は看護者役10名 (29.9±2.0歳), 患者役1名 (BMI : 18.70kg/m2) とした. 看護者役は脊柱起立筋の筋活動と体幹の前傾角度, 患者役は胸鎖乳突筋の筋活動と頸部後屈角度を測定し, 両者に主観的調査を実施した. その結果, 補助具の使用により患者役・看護者役双方の総合的な...
Saved in:
Published in | 日本看護技術学会誌 Vol. 18; pp. 50 - 60 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護技術学会
2019
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-5429 2423-8511 |
DOI | 10.18892/jsnas.18.0_50 |
Cover
Summary: | 本研究の目的は, 床上での上方移動において「補助具」「補助具を頭側から用いる方法」「補助具を側方から用いる方法」の3条件を設定し, 援助者と被援助者の身体的・心理的負担について準備期・実施期・終了期の視点から分析し, 上方移動時の被援助者に及ぼす影響とその関連要因について明らかにすることである. 被験者は看護者役10名 (29.9±2.0歳), 患者役1名 (BMI : 18.70kg/m2) とした. 看護者役は脊柱起立筋の筋活動と体幹の前傾角度, 患者役は胸鎖乳突筋の筋活動と頸部後屈角度を測定し, 両者に主観的調査を実施した. その結果, 補助具の使用により患者役・看護者役双方の総合的な主観的肯定感は高く, 補助具の活用が有効であると考えられた. しかし, 補助具の用い方によっては身体的負担を増加させてしまう可能性が明らかになった. さらに, 上方移動時の被援助者へ及ぼす影響には, 補助具の挿入・除去の仕方, 患者役の身体の支え方, 看護者役の身体の使い方が関連していることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 1349-5429 2423-8511 |
DOI: | 10.18892/jsnas.18.0_50 |