橋海綿状血管腫に対する経錐体到達法

脳幹部海綿状血管腫は頭蓋内海綿状血管腫の9∼35%を占め, 特に脳幹部では橋に好発する. また出血率, 再出血率ともに他部位に比して高く, 症候性のものは摘出術が考慮される. 摘出に関してはさまざまな到達法が報告されているが, 経錐体到達法を用いた橋海綿状血管腫の手術に関する報告は多くない. われわれは, 術後の神経症状の悪化や新たな症状発現を防ぐためには正常脳組織への侵襲を最小限にする到達法を選択することが重要であると考えており, その点で, 小さな皮質切開でかつ多方向性に病変を直視下に観察することを可能にする経錐体到達法は, 橋海綿状血管腫の手術において有用な到達法になる可能性があると思わ...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 4; pp. 341 - 346
Main Authors 森迫, 拓貴, 露口, 尚弘, 川上, 太一郎, 寺川, 雄三, 大畑, 建治, 山中, 一浩, 金城, 雄太, 後藤, 剛夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2014
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.23.341

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Summary:脳幹部海綿状血管腫は頭蓋内海綿状血管腫の9∼35%を占め, 特に脳幹部では橋に好発する. また出血率, 再出血率ともに他部位に比して高く, 症候性のものは摘出術が考慮される. 摘出に関してはさまざまな到達法が報告されているが, 経錐体到達法を用いた橋海綿状血管腫の手術に関する報告は多くない. われわれは, 術後の神経症状の悪化や新たな症状発現を防ぐためには正常脳組織への侵襲を最小限にする到達法を選択することが重要であると考えており, その点で, 小さな皮質切開でかつ多方向性に病変を直視下に観察することを可能にする経錐体到達法は, 橋海綿状血管腫の手術において有用な到達法になる可能性があると思われる.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.23.341