Pembrolizumabが著効した高頻度マイクロサテライト不安定性胆管癌の1例

症例は81歳女性.黄疸と皮膚掻痒感を自覚し,腹部造影CTを施行したところ,肝外胆管に腫瘤性病変を認めた.ERCPを施行し,遠位胆管から前区域胆管まで水平方向進展を呈する広範囲胆管癌と診断した.膵頭十二指腸切除に加え肝右葉切除を行うことは年齢と残肝容量不足のために困難と判断した.左右肝管にplastic stentを挿入後,Gemcitabine単剤療法を開始したが,10コース後に腫瘍の増大を認めた.化学療法前に採取した腫瘍組織から,microsatellite instability-high(MSI-H)と診断し,Pembrolizumab単剤療法に変更した.7コース施行後の腫瘍はCTで確認...

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Published in胆道 Vol. 39; no. 1; pp. 78 - 85
Main Authors 山本, 博徳, 田中, 朗嗣, 櫻井, 祐輔, 池田, 恵理子, 河田, 浩敏, 菅野, 敦, 田邉, 陽邦, 安藤, 梢, 知念, 崇, 横山, 健介, 山口, 博紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.03.2025
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.39.78

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Summary:症例は81歳女性.黄疸と皮膚掻痒感を自覚し,腹部造影CTを施行したところ,肝外胆管に腫瘤性病変を認めた.ERCPを施行し,遠位胆管から前区域胆管まで水平方向進展を呈する広範囲胆管癌と診断した.膵頭十二指腸切除に加え肝右葉切除を行うことは年齢と残肝容量不足のために困難と判断した.左右肝管にplastic stentを挿入後,Gemcitabine単剤療法を開始したが,10コース後に腫瘍の増大を認めた.化学療法前に採取した腫瘍組織から,microsatellite instability-high(MSI-H)と診断し,Pembrolizumab単剤療法に変更した.7コース施行後の腫瘍はCTで確認できないほどに縮小していた.MSI-H胆管癌に対して免疫チェックポイント阻害薬は有効である可能性があり,治療の選択肢を広げるためにも二次治療前のMSI検査が望まれる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.39.78