神経再生医療とロボットリハビリテーションの統合

体性幹細胞である間葉系幹細胞を用いた再生医療の研究は, 主に脳梗塞, 脊髄損傷などを対象に, すでに国内外で臨床研究や治験が行われている. 近年われわれは, 神経と起源を同じくする神経堤由来の間葉系幹細胞に着目し, 頭蓋骨から間葉系幹細胞を樹立した. 頭蓋骨由来間葉系幹細胞は, 一般的に用いられる腸骨などの中胚葉由来の間葉系幹細胞と比較し, 神経再生治療に有利な特性があることから, 細胞治療の安全性および有効性の検証のために臨床研究を行っている. 他方, 再生医療は, 後遺症や障害を残さない根治療法を目指した新規治療法と考えられていたが, 臨床試験が進むにつれ, 幹細胞移植後のリハビリテーショ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 30; no. 2; pp. 128 - 136
Main Authors 光原, 崇文, 栗栖, 薫, 弓削, 類
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.30.128

Cover

More Information
Summary:体性幹細胞である間葉系幹細胞を用いた再生医療の研究は, 主に脳梗塞, 脊髄損傷などを対象に, すでに国内外で臨床研究や治験が行われている. 近年われわれは, 神経と起源を同じくする神経堤由来の間葉系幹細胞に着目し, 頭蓋骨から間葉系幹細胞を樹立した. 頭蓋骨由来間葉系幹細胞は, 一般的に用いられる腸骨などの中胚葉由来の間葉系幹細胞と比較し, 神経再生治療に有利な特性があることから, 細胞治療の安全性および有効性の検証のために臨床研究を行っている. 他方, 再生医療は, 後遺症や障害を残さない根治療法を目指した新規治療法と考えられていたが, 臨床試験が進むにつれ, 幹細胞移植後のリハビリテーションの重要性の理解が進んでいる. われわれは再生医療用の歩行支援ロボットの研究開発も行っており, 自家データで細胞治療とロボットリハビリテーションの統合を進めている.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.30.128