当院でBRCA遺伝学的検査を施行した乳癌症例における病的バリアント検出率の検討
遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診断目的に行うBRCA1/2遺伝学的検査の保険適用条件として,45歳以下の乳癌発症,60歳以下のtriple negative(TN)乳癌,2個以上の原発乳癌,第3度近親者内の乳癌卵巣癌,男性乳癌,卵巣癌腹膜癌の既往があげられる.和歌山県立医科大学附属病院でBRCA1/2遺伝学的検査を行った乳癌症例62例につきこれらの保険適用基準との関連性を後方視的に検討した.45歳以下の乳癌発症,第3度近親者内の乳癌卵巣癌に該当する症例が多く,基準の該当項目数は1~2項目該当が過半数を占めた.各基準に該当する群での病的バリアント検出率はいずれも10%を超えており,保険適用基準は妥...
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Published in | 遺伝性腫瘍 Vol. 24; no. 3; pp. 173 - 178 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
31.01.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2435-6808 |
DOI | 10.18976/jsht.24.3_173 |
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Summary: | 遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診断目的に行うBRCA1/2遺伝学的検査の保険適用条件として,45歳以下の乳癌発症,60歳以下のtriple negative(TN)乳癌,2個以上の原発乳癌,第3度近親者内の乳癌卵巣癌,男性乳癌,卵巣癌腹膜癌の既往があげられる.和歌山県立医科大学附属病院でBRCA1/2遺伝学的検査を行った乳癌症例62例につきこれらの保険適用基準との関連性を後方視的に検討した.45歳以下の乳癌発症,第3度近親者内の乳癌卵巣癌に該当する症例が多く,基準の該当項目数は1~2項目該当が過半数を占めた.各基準に該当する群での病的バリアント検出率はいずれも10%を超えており,保険適用基準は妥当と考えられた.基準の該当項目数が多くなるにつれ,病的バリアント検出率は高くなる傾向がみられた.よって,複数の基準に該当する場合は積極的にBRCA1/2遺伝学的検査を勧めるべきだと考える. |
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ISSN: | 2435-6808 |
DOI: | 10.18976/jsht.24.3_173 |