男性高齢者の社会活動への参加要因に関する研究

目的:地域在住男性高齢者の社会活動参加に関連する要因を明らかにし,男性高齢者の社会活動への参加を促進する支援のあり方について考察することを目的とした.方法:A市在住の65歳以上の男性高齢者を対象とし,無記名自記式アンケート調査を実施した.社会活動に関する質問項目を因子分析し抽出した下位因子と,個人的側面,身体的側面,心理的側面,生活的側面,社会的側面との関連について分析した.結果:980人に調査票を配布し,416人を分析対象者とした(有効回答率42.5%).社会活動に関する質問項目を因子分析し,「地元との交流」「個人の楽しみ」「継続する学び」の3因子を抽出した.すべての因子と有意な関連があった...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本地域看護学会誌 Vol. 25; no. 1; pp. 4 - 11
Main Authors 兼岡, 秀俊, 原田, 春美, 緒方, 久美子, 森永, 朗子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.25.1_4

Cover

More Information
Summary:目的:地域在住男性高齢者の社会活動参加に関連する要因を明らかにし,男性高齢者の社会活動への参加を促進する支援のあり方について考察することを目的とした.方法:A市在住の65歳以上の男性高齢者を対象とし,無記名自記式アンケート調査を実施した.社会活動に関する質問項目を因子分析し抽出した下位因子と,個人的側面,身体的側面,心理的側面,生活的側面,社会的側面との関連について分析した.結果:980人に調査票を配布し,416人を分析対象者とした(有効回答率42.5%).社会活動に関する質問項目を因子分析し,「地元との交流」「個人の楽しみ」「継続する学び」の3因子を抽出した.すべての因子と有意な関連があった項目は「経済的余裕」「歩行への自信」「老研式活動能力指標」「地域コミットメント尺度」であった.「地元との交流」活動でのみ関連がみられた項目は,疾患がない人,後期高齢者であり,「個人の楽しみ」活動でのみ関連がみられた項目は,前期高齢者であることであった.考察:男性高齢者が社会活動へ参加するために,介護予防支援や移動への支援,ICTの活用が効果的と思われる.切れ目なく社会活動に参加するためにすべての年代の人が「地元との交流」活動に参加できるよう支援することも有効であると考えられる.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.25.1_4