CASPER Rx stent留置後に遅発性内頚動脈解離を生じた1例

72歳,男性.症候性の右頚部内頚動脈高度狭窄に対して,頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)を施行した.不安定plaqueと高度屈曲病変を考慮して,embolic protection device(EPD)はMo.Ma Ultraを,stentはCASPER Rx stentを使用した.周術期は明らかな合併症なく経過したが,術後1年で施行した血管造影検査で,stent留置部位の直線化と,distal edge近傍の血管の不整な拡張所見を認めた.内頚動脈解離と診断したが,慢性期で安定していると判断し,無症候性であることから経過観察の方針となった.CAS時...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 53; no. 3; pp. 172 - 176
Main Authors 小野寺, 康暉, 矢作, 宜之, 畔上, 空也, 梶本, 隆太, 芳村, 雅隆, 木村, 龍太郎, 神山, 信也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2025
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.53.172

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Summary:72歳,男性.症候性の右頚部内頚動脈高度狭窄に対して,頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)を施行した.不安定plaqueと高度屈曲病変を考慮して,embolic protection device(EPD)はMo.Ma Ultraを,stentはCASPER Rx stentを使用した.周術期は明らかな合併症なく経過したが,術後1年で施行した血管造影検査で,stent留置部位の直線化と,distal edge近傍の血管の不整な拡張所見を認めた.内頚動脈解離と診断したが,慢性期で安定していると判断し,無症候性であることから経過観察の方針となった.CAS時の血管解離は,catheter,wire,EPDの操作などによって生じるとする報告が多い.今回,CASPER Rx stent留置後に遅発性の内頚動脈解離症例を経験したので報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.53.172