経鼻頭蓋底手術におけるICG蛍光内視鏡の有用性

経鼻的頭蓋底手術はその適応が拡大していくにつれ, 手術の安全性と確実性を担保する術中の画像支援システムへの期待が高まっている. その中で注目されるのがindocyanine green (ICG) 蛍光内視鏡下観察である. 今回, 経鼻頭蓋底手術において, ICG蛍光内視鏡 (KARL STORZ社) による観察を行った30例の結果をまとめた. 内頚動脈や蝶形口蓋動脈などの頭蓋底構造の確認, 硬膜外からの海綿静脈洞の範囲の推定, 腫瘍と正常下垂体の区別が可能であった. 一方, ICG内視鏡の位置や出血の状況により描出感度が違うことも明らかとなり, 定量には一定の条件が必要と考えられた. 本方法...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 24; no. 2; pp. 85 - 91
Main Authors 倉津, 純一, 秀, 拓一郎, 篠島, 直樹, 矢野, 茂敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2015
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.24.85

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Summary:経鼻的頭蓋底手術はその適応が拡大していくにつれ, 手術の安全性と確実性を担保する術中の画像支援システムへの期待が高まっている. その中で注目されるのがindocyanine green (ICG) 蛍光内視鏡下観察である. 今回, 経鼻頭蓋底手術において, ICG蛍光内視鏡 (KARL STORZ社) による観察を行った30例の結果をまとめた. 内頚動脈や蝶形口蓋動脈などの頭蓋底構造の確認, 硬膜外からの海綿静脈洞の範囲の推定, 腫瘍と正常下垂体の区別が可能であった. 一方, ICG内視鏡の位置や出血の状況により描出感度が違うことも明らかとなり, 定量には一定の条件が必要と考えられた. 本方法は安全性が高く有用であり, 今後の治療成績向上へ寄与することが期待される.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.24.85