痛風・高尿酸血症患者に対する飲酒教育

減酒で改善が期待できる病態として痛風・高尿酸血症をはじめとして種々の生活習慣病があるが,各診療ガイドラインにおける飲酒指導の記述は適正飲酒量の提示に留まり教育方法への言及はない.飲酒関連問題に対してWHOは10の質問 から構成されるアルコール使用障害スクリーニ ングテスト(The Alcohol Use Disorders Identification Test.: AUDIT)を開発し,これを活用して減酒の必要性を気付かせる動機付けを行い,簡易介入(ブリーフインターベンション)として減酒支援を 繰り返すことで減酒を達成させる減酒指導対策を提唱している.我が国においても,アルコール健康障害基本...

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Published in痛風と核酸代謝 Vol. 42; no. 1; pp. 15 - 22
Main Authors 大山, 博司, 宮﨑, 俊太郎, 藤森, 新, 大山, 恵子, 大槻, 美佳, 諸見里, 仁, 田中, 万智, 横関, 美枝子, 高木, 宜史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会 25.07.2018
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ISSN1344-9796
2186-6368
DOI10.6032/gnam.42.15

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Summary:減酒で改善が期待できる病態として痛風・高尿酸血症をはじめとして種々の生活習慣病があるが,各診療ガイドラインにおける飲酒指導の記述は適正飲酒量の提示に留まり教育方法への言及はない.飲酒関連問題に対してWHOは10の質問 から構成されるアルコール使用障害スクリーニ ングテスト(The Alcohol Use Disorders Identification Test.: AUDIT)を開発し,これを活用して減酒の必要性を気付かせる動機付けを行い,簡易介入(ブリーフインターベンション)として減酒支援を 繰り返すことで減酒を達成させる減酒指導対策を提唱している.我が国においても,アルコール健康障害基本法が2013年に成立し,アルコール健康障害対策推進基本計画の策定など国を挙げてアルコール健康障害をなくすよう取り組んでいる.今回,当院を受診している痛風と糖尿病患者6例を対象に飲酒指導者としてAUDITを利用した60分の集団教室を行った.各自に実際の飲酒量を純アルコール量に換算して計算させ,適量と考えられる純アルコール20gと飲酒量の差を実感させ,個々に減酒目標を設定させた.1か月後に聞き取り調査が行えた3例では,いずれも減酒目標が達成でき,γGTPの低下が観察された.今回は対象 が少人数で減酒の動機付け程度しか支援ができなかったが,今回の経験を活かして日々のアルコール指導方法について検討していきたいと考えている.
ISSN:1344-9796
2186-6368
DOI:10.6032/gnam.42.15