うっ血性心不全に対するASV 治療という選択肢 実臨床におけるASV の上手な使い方を考える

Adaptive servo-ventilation(ASV)は非侵襲性陽圧換気治療の一つである.もともとは睡眠時無呼吸症候群に対する治療デバイスとして開発されたものの,現在では主に慢性心不全に伴う薬物治療に抵抗性を示す難治性のうっ血に対する非薬物治療として広く使用されている.わが国ではその有効性を示す多くのエビデンスが存在する一方で,海外で行われた大規模臨床試験ではその有効性を示すことができなかった.適切な患者選択・圧設定・適切なタイミングでの治療の終了など,ASV 治療を適切に実施する上で注意すべき点がいくつか存在し,上手にASV 治療を行わなければその有効性を十分に引き出せないばかりか,...

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Published in日本臨床生理学会雑誌 Vol. 53; no. 5; pp. 107 - 115
Main Author 今村, 輝彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.12.2023
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ISSN0286-7052
2435-1695
DOI10.34363/jocp.53.5_107

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Summary:Adaptive servo-ventilation(ASV)は非侵襲性陽圧換気治療の一つである.もともとは睡眠時無呼吸症候群に対する治療デバイスとして開発されたものの,現在では主に慢性心不全に伴う薬物治療に抵抗性を示す難治性のうっ血に対する非薬物治療として広く使用されている.わが国ではその有効性を示す多くのエビデンスが存在する一方で,海外で行われた大規模臨床試験ではその有効性を示すことができなかった.適切な患者選択・圧設定・適切なタイミングでの治療の終了など,ASV 治療を適切に実施する上で注意すべき点がいくつか存在し,上手にASV 治療を行わなければその有効性を十分に引き出せないばかりか,むしろ有害な転帰を辿ることもある.
ISSN:0286-7052
2435-1695
DOI:10.34363/jocp.53.5_107